「名ばかり管理職」問題 マクドナルド裁判のその後 「管理職」と「管理監督者」の違いについて、〔行政通達〕〔日本マクドナルド裁判判決〕〔論説・関連報道〕(08年10月3日)

◆「名ばかり管理職」問題 マクドナルド裁判のその後◆
「管理職」と「管理監督者」の違いについて
〔行政通達〕〔日本マクドナルド裁判判決要旨〕〔論説・関連報道〕

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解説パンフレット
【労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために】

管理職はみんな『管理監督者』?

「管理職だから残業手当は必要ない?」・・・。よく言われることですが、会社内で管理職としての地位にある労働者でも、労働基準法上の「管理監督者」に当てはまらない場合があります。例えば、会社では「店長」を管理職と位置づけていても、実際に労働基準法上の「管理監督者」に係る判断基準からみて、十分な権限もなく、相応の待遇等も与えられていないと判断される場合には「管理監督者」には当たらず、残業手当を支払わないでよいということにはなりません。

また、「管理監督者」であっても、労働基準法により保護される労働者に変わりはなく、労働時間の規定が適用されないからといって、何時間働いても構わないということではなく、健康を害するような長時間労働をさせてはなりません。

「管理監督者」については、肩書や職位ではなく、その労働者の立場や権限を踏まえて実態から判断する必要があります。

このパンフレットでは、広くとらえられがちな「管理監督者」の範囲をわかりやすく解説します。

PDF⇒ 労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために (08年9月10日)

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【08年1月28日以降の行政通達】

●「管理監督者の範囲の適正化」、監督指導の留意点を労働局に通知
 (08年10月3日 厚生労働省)


厚生労働省は3日、9月9日付の通達「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化」について、「一部に、管理監督者の範囲について誤解を生じさせかねないとの意見がある」ことを踏まえ、その周知、監督指導に当たって留意すべき事項を都道府県労働局に通知した。同通達は、店舗の店長等が労働基準法の「管理監督者」に該当するか否かの判断要素を示したもの。

■多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化を図るための周知等に当たって留意すべき事項について(08年10月3日 厚生労働省)
厚生労働省 労働基準局監督課長発通達(基監発第1003001号)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/10/tp1003-1.html#ryui
通達に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/10/tp1003-1.html

●小売・飲食チェーン店「管理監督者」の判断要素示す(08年9月9日 厚生労働省)

厚生労働省は9日、小売・飲食業等のチェーン店における店長等が労働基準法の「管理監督者」に該当するか否かの判断に当たっての特徴的要素をとりまとめ、都道府県労働局長あてに通達した。

「職務内容、責任と権限」「勤務態様」「賃金等の待遇」について具体的な判断要素を明示。例えば、(1)パート・アルバイト等の採用・解雇に権限がない(2)遅刻・早退等により減給または人事考課で不利益な取扱いを受ける(3)時間単価に換算した賃金額が店舗所属のパート・アルバイト等の賃金額に満たない、場合などは管理監督者性を否定する重要な要素になるとしている。

■多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における
管理監督者の範囲の適正化について―具体的な判断要素を整理した通達を発出
 (08年9月9日 厚生労働省)

厚生労働省 労働基準局長発通達(基発第0909001号)
(PDF)⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/09/dl/h0909-2a.pdf
多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の具体的な判断要素について
(PDF)⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/09/dl/h0909-2b.pdf

●「管理監督者の範囲の適正化」、適切な監督指導を(08年4月1日 厚生労働省)

厚生労働省は1日、管理監督者(いわゆる「管理職」)の範囲の適正化について、適切な監督指導を行うよう都道府県労働局長あてに通達した。

十分な権限や相応の待遇を与えられていないにもかかわらず、労働基準法の管理監督者と見なされ、割増賃金の不払いや過重労働による健康障害の発生など、著しく不適切なケースもみられ、社会的関心も高くなっているとを踏まえて示されたもの。

■管理監督者の範囲の適正化について(08年4月1日 厚生労働省)
厚生労働省 労働基準局監督課長発通達(基監発第0401001号)
(PDF)⇒ http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/siryo/pdf/20080404.pdf

●「あなたは管理職かも知れないが、管理監督者ではない」と言われたときの
 意味が判りますか?(労務安全情報センター 管理職と労働基準法)

http://labor.tank.jp/rootseiri/kanri.html

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■管理監督者についての法条文及び行政通達 原文
http://kawamura-sr.blogdehp.ne.jp/article/13327664.html
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■日本マクドナルド事件 東京地裁 平成20年1月28日判決 要旨
―店舗店長職の管理監督者性と割増賃金、付加金請求等―
http://kawamura-sr.blogdehp.ne.jp/article/13325779.html
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【08年1月28日以降の論説・解説】

●「管理監督者」問題の新しい展開(08年9月17日 日経Biz-Plus)

厚生労働省は、今月9日、「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について」と題する通達をまとめ、労働基準局長から都道府県労働局長に対し発出しました。残業代を支払う法的義務のない「管理監督者」の範囲に関するものです。今年2月に出された大手ファストフード店の店長に関する東京地方裁判所の判決内容と比較すると、管理監督者性をかなり認めやすい基準が示されています。また、企業の工夫次第では管理監督者と認められる余地が出てくるヒントも隠されています。企業は扇動的な一部の報道に惑わされることなく、管理監督者問題に冷静かつ柔軟に対応することが求められています。

日経Biz-Plus 「法的視点から考える人事現場の問題点」第47回 弁護士 丸尾拓養氏
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/jinji/rensai/maruo2.cfm?i=20080916ja000ja

●中間管理職の再生にむけて(08年5月14日 日経Biz-Plus)

課長を中心とした中間管理職の人事管理のあり方について見直しが進みつつあります。「管理監督者」をめぐる下級審判決や行政の動きは、ゆるやかながらも企業の組織を変えていくことでしょう。しかし、法律に合わせることに注力するのではなく、企業に必要な中間管理職の役割と、彼らに対する処遇を考えていくべきです。

日経Biz-Plus 「法的視点から考える人事現場の問題点」第38回 弁護士 丸尾拓養氏
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/jinji/rensai/maruo2.cfm?i=20080512ja000ja

●「管理監督者」にふさわしい従業員像(08年2月6日 日経Biz-Plus)

外食チェーンの店長に関して残業代を支払えという判決が出されました。一時の話題にはなっていますが、実務家としては「またか」という気もします。これまでも同様の判決はありましたが、企業実務に大きな変化を与えませんでした。

日経Biz-Plus 「法的視点から考える人事現場の問題点」第31回 弁護士 丸尾拓養氏
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/jinji/rensai/maruo2.cfm?i=20080204ja000ja

●これでは困る「名ばかり管理職」マクドナルド判決(08年8月 労働調査会)

マクドナルド判決は、長時間の単純労働をしている労働者を名ばかりの管理職に任命し、低賃金で酷使している賃金システムに対する適切な判決として、世間から大いに評価を受けているようにみえる。しかしチョッと待って欲しい。この判決は、労働基準法を施行している労働基準監督機関の解釈例規に明らかに違背しているし、何よりも、近年の企業組織の実情に全くそぐわない。〔東内一明 労働問題コンサルタント〕

Monthly Report⇒ http://www.chosakai.co.jp/alacarte/a08-08.html

●日本マクドナルド社の方針転換「店長に残業代を支払う」の内容
 (08年6月 フランチャイズ研究所)


日本マクドナルド社は、5月20日に管理職を理由に残業代や休日出勤手当てを支払っていなかった店長ら2千人弱と店舗管理責任者数百人に、8月から新報酬制度を導入し、残業代を支払うと発表した。今回は、現在の日本マクドナルド社の給与規則や、支払い内容を詳細に解説し、それをどのように変更しようとしているか、そのチェーン業界に与える影響や、対策について述べてみる。〔黒川孝雄 元日本フランチャイズチェーン協会会長〕

FC市場レポート08年6月号⇒ http://www.franchise-ken.co.jp/comment/2008/0806.html

●店長は管理職。しかし残業手当相当分は支払わねばならない。
 (08年5月 フランチャイズ研究所)


筆者は、既に商業界「飲食店経営」5月号に「マクドナルド店長は管理職ではないとする判決が意味するもの」と題して、長文を載せたが、この文章に対する反響は大きく、大企業、中堅企業から多数のご相談、お問い合わせを頂いた。また、同誌には神田孝弁護士の論文、フードビズ32号の神山泉主幹の論文2編、サトレストランシステムズ重里社長の対談など貴重な文章が発表されたので、これ等を参考にして一部意見を補強する必要性を感じた。そこで、「FC市場レポート」を通して、広く世間に新しい見解を発表して、大勢の方からご批判を頂きたいと思い、今月号は上記のテーマにした。〔黒川孝雄 元日本フランチャイズチェーン協会会長〕

FC市場レポート08年5月号⇒ http://www.franchise-ken.co.jp/comment/2008/0805.html

●マクドナルド判決と「残業マネジメント力」(08年3月24日 日本総研)

マクドナルド店長が労働基準法に定める「監督もしくは管理の地位にある者」といえるのかどうかを争う裁判について1月28日東京地裁判決は、「店長は監督もしくは管理の地位にある者(以下管理監督者)とはいえず」とした。この判決は各企業の現場に大きな反響を呼んでいる。ここではその内容を整理し、経営的にそこから学ぶべき点について考えていきたい。〔西條收 主席研究員〕

コラム 研究員のココロ⇒ http://www.jri.co.jp/consul/column/data/694-saijo.html

●「マクドナルド裁判の本質は何か?」(08年3月18日 週刊エコノミスト)
―焦点は残業代ではない マクドナルド賃金訴訟の本質は長時間労働の規制にある―

1月28日、東京地裁は日本マクドナルドの店長が同社を相手取って訴えていた裁判で判決を下した。この判決はマスコミでも大変反響を呼び、同日の夕刊の一面はこの記事が大きく躍った。毎日は「マック店長残業代認定 管理職当たらず」、朝日は「店長は非管理職 残業代支払い命令」、読売は「店長の残業代支払い命令 管理職と認めず」、日経は「マクドナルド残業代未払い 店長、管理職に当たらず」といった具合である。

マスコミが揃ってこのように報道している以上、国民の多くもこの裁判の本質は店長が残業代を払う必要のない管理職かどうかにあると考えたであろう。実を言えば、本判決を下した裁判官自身にもその傾向が見られる。

しかしながら、それはいくつもの点でピントが外れている。どのようにピント外れなのか、以下説明していこう。〔濱口桂一郎 政策研究大学院大学教授

週刊エコノミスト3月18日 原稿全文⇒ http://homepage3.nifty.com/hamachan/macdo.html

●マクドナルド訴訟だけじゃない 「名ばかり管理職」蔓延の実体
 (08年2月1日 DIAMOND ONLINE)


日本マクドナルド現役店長による未払い残業代と慰謝料を求めた訴訟で、地裁はマクドナルドに約750万円の支払いを命じた。今回の判決は不思議なものではない。むしろ判決に対して世間が驚いたことに、私は驚いた。〔弁護士 永沢徹〕

M&A時代の読解力⇒ http://diamond.jp/series/nagasawa/10015/

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【08年1月28日以降の関連報道記事】

●契約店長に正社員並み賠償/すかいらーく過労死で合意
 (09年5月13日 共同通信)


外食大手「すかいらーく」の契約店長だった埼玉県加須市の前沢隆之さん=当時(32)=が過労死した問題をめぐり、前沢さんの遺族らは13日、会社側が責任を全面的に認めて正社員並みの賠償金を支払うことで合意した、と発表した。

遺族らが明らかにした合意書によると、同社は前沢さんが正社員だったと仮定した場合の平均年収を基に算出した損害賠償金を支払うことを約束。また合意書には、社内55人の契約店長に未払い残業代1,746万円を支払うことや、労務管理改善に努力することも盛り込まれている。

母親の笑美子さん(60)は「社の幹部が労働時間をきちんと把握するなど再発防止を徹底してほしい」と訴えた。

前沢さんは1991年にアルバイトで入社。2006年、埼玉県栗橋町の店舗で契約店長になったころから長時間労働を強いられ、07年10月に脳出血で死亡。春日部労働基準監督署が昨年6月、過労死と認定した。
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●「名ばかり管理職」で和解/マックが1千万円支払う(09年3月18日 共同通信)

日本マクドナルドの直営店店長が、権限を持たない「名ばかり管理職」だとして残業代の支払いなどを求めた訴訟は18日、同社が和解金約1,000万円を支払うことなどを条件に、東京高裁(鈴木健太裁判長)で和解が成立した。

原告側によると、和解条項は、同社が原告勝訴の1審判決を事実上受け入れた内容。(1)原告は法律上の管理職(管理監督者)に該当しない(2)今回の訴訟に関して降格・配転・減給の処分をしない−なども明記された。

原告は埼玉県熊谷市の店長高野広志さん(47)で「大きな前進」と評価。代理人の棗一郎弁護士は「会社が名ばかり管理職だったと認めたことは意義がある。降格などの処分をしないと認めさせたのは異例で、和解でなければ得られない」と話している。

同様の問題を抱えるほかの外食産業などでも「名ばかり管理職」のサービス残業解消に向けた対応を迫られそうだ。

棗弁護士によると、和解金の約1,000万円には、1審判決が支払いを命じた残業代など約755万円に加え、その後の残業代も含まれるという。

訴訟では、高野さんが、経営者と一体的で残業代の支払い義務がない労働基準法の「管理監督者」に当たるかどうかが争われた。昨年1月の東京地裁判決は「職務や権限は店舗内の事項に限られ、経営者と一体的な重要なものではない」として、管理職には当たらないと判断した。

日本マクドナルドは昨年8月から、約1,700人とされる直営店店長らを対象に、職務給を廃止して成果に応じた報酬とする新制度を始めようとしたが、導入をいったん延期。残業代の支払いを先行して実施している。

●「名ばかり管理職」和解:広がる残業減の動き (09年3月18日 毎日)

名ばかり管理職問題の控訴審で和解を受け入れた日本マクドナルドは、訴訟の長期化による従業員の士気低下やイメージダウンを回避した格好だ。問題が大きくクローズアップされたことを受け、外食産業ではアルバイトを増やして残業時間を減らす動きが広がっているが、景気悪化の中、人件費削減圧力は強く、従業員の待遇の改善にはつながっていないのが実情だ。

マクドナルドは18日、「社員の労働環境など仕事と家庭の調和の取り組みを続ける」などのコメントを発表した。同社は昨秋始まったこの訴訟の和解交渉を前に、08年8月から店長らの残業代の支払いを始めた。ただ、アルバイトを過去2年間で2万人増やし、店長の残業時間を現在月8〜10時間に抑え、総人件費の伸びを抑えている。

こうした動きは外食産業を中心に他社にも広がっている。残業代の支払いは従業員の離職を食い止める狙いもあるが、外食不振の中、総人件費を増やさない制度改正が目に付く。

ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホールディングスは、店長ら約1080人に対し年内に残業代を支給する。総人件費は全体で年間1000万円程度の増加にとどまるという。居酒屋チェーン「ワタミ」も今年4月から、店長約600人のうち管理職にあたらない450人について残業代を払うが、手当は引き下げる方針だ。

外食産業は人件費が売り上げの3割に達し、コスト抑制の圧力は人件費に向きがち。景気悪化で、「残業代を申告しにくい雰囲気が出ている」(外食関係者)との声もあり、制度見直しがサービス残業の解消に結びつかない可能性もある。【望月麻紀、森禎行】
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●ソフト会社に4500万円支払い命令 名ばかり管理職問題で東京地裁
 (09年3月9日 日経)


「課長代理」の肩書を管理職とみなして、残業代を支払わないのは不当として、ソフトウエア開発会社、東和システム(東京・千代田)の社員3人が残業代など計約1億700万円の支払いを求めた訴訟の判決が9日、東京地裁であった。村越啓悦裁判官は「統括的な立場になく管理職といえない」として、同社に計約4500万円の支払いを命じた。

判決理由で、村越裁判官は3人の労働実態などから管理職としての権限はなかったと指摘。「労務管理で経営者と一体的な立場にはない」とし、残業代を支払う義務のない管理職に当たらないとした。

判決によると、3人は1990年以降、同社のシステム開発部門で課長代理(後に課長補佐)の職位に就き、管理職としての手当を受領。残業代は支払われなかった。残業は多いときは200時間を超えることもあったという。

●名ばかり「部長」70人、北九州市医療センターに是正勧告(09年2月12日 読売)

北九州市立医療センターで、「部長」の肩書の医師七十数人が、「権限のない『名ばかり管理職』の状態にある」として、北九州東労働基準監督署が労働基準法に基づき、センターに是正勧告していたことが12日わかった。

同労基署や市によると、同労基署はセンターへの立ち入り調査を1月15日に実施した。医師約110人のうち管理職手当が支払われている「部長」七十数人について、実際には病院経営に関与する権限がないのに、管理職であることから時間外勤務手当が支給されていなかった。うち4人には部下が1人もいなかった。

市は「部長」を行政職の課長級と位置づけ、時間外労働に関して労基法36条に基づき労使間で締結する協定を結んでいない。

同労基署は1月22日付で、時間外勤務手当の支給や労使協定締結などを是正勧告し、今月20日までに改善報告書を出すよう求めている。

市内にはほかに3か所の市立病院があるが、いずれもセンターと同様の状態という。北橋健治市長は12日の定例記者会見で勧告を受け入れ、「(手当などの)関連予算を来年度予算案に盛り込みたい」とすべての市立病院で改善を講じる意向を示した。

●ロイヤルHD、店長・料理長に残業代を支給(09年2月7日 日経)

外食大手のロイヤルホールディングスは店長と料理長の全約1080人を年内に順次、管理職から外して残業代を支給する。管理職だった店長への残業代を支給する外食大手は、いわゆる「名ばかり管理職」問題の発端となった日本マクドナルドに次ぐケース。外食は不況のなかでも人手不足が続いており、新賃金制度で人材確保につなげる。

管理職の権限や待遇が与えられていないのに残業代をもらえない名ばかり管理職問題を巡り、2008年1月に東京地裁が日本マクドナルドに対し、管理職店長への残業代支払いを命ずる判決を下した。これ以降、紳士服専門店の青山商事なども店長に残業代を払い始めている。

●セブン店長ら残業代未払いで和解 長野地裁松本支部
 (08年11月17日 共同通信)


長野県内のセブン−イレブン店長ら7人が管理監督者ではないのに残業代などが支給されていないとして、セブン−イレブン・ジャパンとフランチャイズ契約を結ぶシーブイエストヨクラ(長野県松本市)に未払い賃金など約3000万円の支払いを求めた訴訟は17日、長野地裁松本支部(山崎秀尚裁判長)で、6人の和解が成立した。

原告の支援団体によると、(1)シーブイエストヨクラが和解金として、未払いの残業代を支払う(2)今後、1カ月に30時間を超える残業分について、時間外手当を支給する−などの内容。和解金額は公表していない。1人は同日までに訴えを取り下げた。

支援団体は「店長が管理監督者ではないと認められ、全国の同様の裁判に大きな影響を与えるのでは」と話した。

訴えによると、長野県松本市、塩尻市、安曇野市でセブン−イレブン7店を展開しているシーブイエストヨクラは、店長であることを理由に、時間外手当などを支給していなかった。

● “名ばかり管理職”の現状 労働時間総合調査(08年10月2日 労務行政研究所)
―時間外手当を不支給としている役職者について、2割の企業が
「管理監督者の要件に照らして問題あり」と認識―

民間調査機関の(財)労務行政研究所(東京都港区 http://www.rosei.or.jp/ )では,毎年定例的に実施している『労働時間総合調査』の付帯項目として、最近注目を集めている、いわゆる“名ばかり管理職”をめぐる問題に関し、企業における現状認識と問題解消に向けた取り組み予定等について調査を行った。

1.回答企業232社のうち、20.7%が「時間外手当を支給していない役職者に、管理監督者の要件を満たしていない者がおり、問題視している」と回答。
2.“問題視している内容”(複数回答)では、「管理監督者扱いだが,組織運営や採用等に関する権限・裁量が与えられていない」が85.4%で最多。
3.“名ばかり管理職”解消に向けた取り組みの予定については、「見直し要否について検討中」が56.3%と過半数を占める。
全文(PDF)⇒ http://files.value-press.com/data/2076_ZKTHfLHBSH.pdf

●「管理監督者の新通達」内容の見直しを要請/連合(08年9月30日 労政機構)

連合は9月29日に総評会館(東京都千代田区)で「管理監督者の新通達」に関する緊急集会を開催した。同通達は、9月9日に厚生労働省が都道府県労働局長あてに発出した、小売・飲食業等のチェーン店の店長等が労働基準法の「管理監督者」に該当するか否かの判断要素を示したもの。

集会では、「使用者側に有利に使われかねない」など問題点を指摘する声があがり、連合では事務局長談話を発表。翌30日には厚生労働省に対し通達の見直しを要請した。
http://www.jtuc-rengo.or.jp:80/news/rengonews/2008/20080930_1222754682.html

●「名ばかり管理職」問題で基準示す 厚労省(08年9月9日 産経)

厚生労働省は9日、管理職としての職務権限や待遇が与えられていないにもかかわらず、残業代が支払われていない「名ばかり管理職」の問題を解決するため、チェーン展開する小売業、飲食業などの店長らを対象に管理監督者であるかどうかの具体的な判断基準を示した通達を都道府県労働局長に出した。特定業種に限定した通達を出すのは昭和52年に金融機関の支店長代理を管理監督者と見なさないという内容の通達を出して以来という。この通達をもとに小売業、飲食業の個別企業や業界団体について指導を強化する。

通達では、管理監督者として認められない事例として(1)アルバイト・パートなどの採用についての責任と権限がない(2)遅刻、早退などで減給されたり、人事考課でマイナスの評価を受けるなど不利益な取り扱いをされる−などのケースを具体的に挙げた。時給換算でアルバイト・パートや法律で定められた最低賃金に満たない場合も管理監督者とは認められないとした。

「名ばかり管理職」問題は、店長に対する残業代支払いを日本マクドナルドに命じる判決が1月に出て以来、小売業や飲食業で店長に対する処遇の見直しが相次いでいる。

厚労省が4〜6月に53社(66店)を監督指導した事例でも55店の店長55人と副店長など33人が管理監督者として残業代が支払われていなかった。このうち適法だったのは店長の10人だけで、残りの78人は管理監督者とは認められないとして行政指導した。

●マクドナルド、千葉などの直営店をFCに切り替え(08年9月2日 日経)

日本マクドナルドは2日、千葉県の湾岸・北部地域の直営店約90店を12月1日からフランチャイズチェーン(FC)形態に切り替えると発表した。今年度から本格的に取り組む直営店のFC化の一環。11月には群馬・長野県の直営約100店をFC化することを決めており、全体で200店近い直営店が短期間でFC店に移行する。

同社は昨年、全約3700店のうち、7対3の直営店とFC店の比率を中期的に3対7に逆転させる方針を打ち出した。直営店は多くの人員を抱え、店舗投資も必要。直営店比率を下げて商品開発などに集中して、収益力の改善を目指す。

●マクドナルドが就業規則変更 店長を管理監督者から外す(08年8月5日 朝日)

日本マクドナルドが就業規則を変更し、店長を労働基準法上で労働時間管理や残業代の支払いの対象外となる管理監督者から外していたことが5日、分かった。店長が管理監督者かどうかが争われた裁判で同社は敗訴。「名ばかり店長」との批判が高まる中、店長にも労働時間管理と残業代を支払う制度を今月から始めており、就業規則でも店長は非管理監督者だと明確化した形だ。

店長らへの通知によると、新たな就業規則では、管理監督者は、営業スタッフのうち地区長、フランチャイズ店の統括者と内勤者のマネジャー職以上とされ、店長は外された。新就業規則は各店舗ごとに店長が労働基準監督署に届け出て、今月1日から適用される。

裁判の原告で、店長の高野広志さん(47)は「これで長時間労働に対する会社の責任が明確になる。裁判を提起したことが報われた」と評価する。ただ、同社は、店長を管理監督者ではないとし、店長への残業代の支払いを求めた一審に対して控訴し、現在、東京高裁で係争中。裁判について、同社は「提訴当時の店長は管理監督者との認識は変わっていない」としている。

●日本マクドナルド:新報酬制度、店長側反対で延期に(08年6月23日 毎日)

日本マクドナルドが「名ばかり管理職」解消のため8月から導入を予定していた直営店店長対象の新報酬制度の実施を延期することが23日分かった。店長側の反対が根強いためで、2〜3年後の導入を目指す。残業代は8月から支払う。

これまで同社は店長を管理職扱いにして残業代を払わず、基本給と職務給、成果給のみを払ってきた。店長が未払い残業代などの支払いを求めた裁判で、東京地裁が1月、「未払いは違法」と判断。同社は控訴したが、5月、職務給を廃止して時間外労働手当を支払う新報酬制度導入を発表した。

ただ、発表会見で原田泳幸(えいこう)会長兼社長は「店長の残業時間が短い店舗ほど業績がいい」と述べ、残業時間を抑制し総人件費を増やさない方針を強調。店長らは「評価を気にして残業時間を正確に報告できない」などと反発したほか、店長への説明会でも不安の声が相次いだという。

●「名ばかり管理職」見直し 店長に残業代、流通業に広がる(08年6月14日 日経)

店長に残業代を支払う動きが流通・サービスの幅広い業種に広がってきた。外食・紳士服店、コンビニエンスストアに加え、第一興商などカラオケ店大手が支払いを決め、メガネ店のメガネトップ、メガネスーパーも検討に入った。支払う義務のない管理職店長に長時間労働を強いる「名ばかり管理職」問題を受け、これまで処遇改善に着手した大手は16社。社会的な批判をかわすとともに人材をつなぎ留める狙いで、追随する企業が増えそうだ。

労働基準法では経営側と一体的な立場の「管理監督者」に残業代を支払う義務はない。流通業などでは店長を管理監督者である管理職と位置づける例が多いが、日本マクドナルド店長の処遇を巡る訴訟で東京地裁が1月、同社に残業代支払いを命じる判決を出した。5月にマクドナルドが支払いを決めたのを受け、見直しが加速している。

●店長に残業代支給/九九プラス、今年度下期から導入
 (08年5月29日 労政機構)


生鮮食品や雑貨などのコンビニエンスストア「SHOP99」を運営する株式会社九九プラスは5月29日、新しい人事制度を今年度下期から導入すると発表した。主な変更点は、非時間管理者の店長に対し時間管理を行うことにより時間外手当を支給するというもの。ただし、「店長が店舗運営の職責を果たす管理職との位置づけに変更はない」としている。

■株式会社九九プラス 新人事制度の導入と労務環境の改善に関するお知らせ
⇒ http://www.shop99.co.jp:80/whatsnew/backnumber/429.html

●はるやま:「名ばかり管理職」の全店長に残業代(08年5月28日 毎日)

紳士服販売大手のはるやま商事は28日、全国384店の店長など、残業代を支払っていなかった「名ばかり管理職」計408人について、5月分から残業代を支払うことを明らかにした。社内規定を改め、管理職から外す。同社は「他社の例も考慮して総合的に判断した」と説明している。これで青山商事、AOKIホールディングス、コナカを含む紳士服販売大手4社が残業代支給で足並みをそろえることになる。

●マック店長、2審始まる/「名ばかり管理職」訴訟(08年5月28日 共同通信)

日本マクドナルドの店長が「権限がないのに管理職扱いし、残業代を支払わないのは不当」として未払い分などの支給を求め、1審で勝訴した民事裁判の控訴審第1回口頭弁論が28日、東京高裁(鈴木健太裁判長)で開かれた。

同社は、直営店店長らに残業代を出す新しい報酬制度の導入を発表する一方、裁判と新制度は関係ないと説明。1審同様に争う姿勢を示しており、「名ばかり管理職」と呼ばれた待遇があらためて法廷で問われる。

原告は高野広志さん(47)。1月の東京地裁判決は、高野さんが埼玉県の店舗で残業をしても、店長のため割増賃金が受け取れなかったことについて「職務や権限は店舗内の事項に限られ、経営者と一体的な重要なものではない」とし、管理職には当たらないと判断。約755万円を支払うよう同社に命じた。

日本マクドナルドは事実認定の誤りを理由に控訴。高野さんは慰謝料支払いも求めている。

●すかいらーく、店長独立でFC展開 管理職の処遇問題背景
 (08年5月22日 日経)


ファミリーレストラン最大手のすかいらーくは来年1月から、店長を務めるベテラン社員を独立させ、フランチャイズチェーン(FC)店を持たせる仕組みをつくる。5年後をメドに既存店全体の2割強に当たる1000ほどをFC店に切り替える。売り上げに直結する報酬体系にして有能な人材をつなぎ留める。社外から加盟店を募る方式のFCが一般的ななか、社員への「のれん分け」でのFC展開は珍しい。

管理職を理由に店長らに残業代を払っていなかった日本マクドナルドが、東京地裁から支払いを命じられたことをきっかけに、流通業界の間で店長らの処遇を見直す動きが広がっている。すかいらーくも店長ら管理職に残業代を払っておらず、店長らの処遇改善策の検討を進めていた。

●日本マクドナルド:残業代支給へ 「名ばかり管理職」で新制度、職務給廃止
 (08年5月20日 毎日)


◇総人件費変わらず

外食大手の日本マクドナルドは20日、管理職扱いで時間外手当(残業代)を払ってこなかった直営店の店長約2000人に、8月1日から残業代を支払う新報酬制度を導入すると発表した。店長など管理職の肩書が付くだけで残業代などが支払われない「名ばかり管理職」の問題は、制度上解消されることになる。

現行制度では店長は管理職扱いで、基本給に店長手当などの職務給、業績による成果給を加えた報酬が支払われているが、残業代は払われていなかった。新報酬制度では職務給を廃止し、従来と同額の基本給に加え、成果給と時間外労働手当(残業代)を支払う。総人件費に増減はないという。さらに、この制度を店長の上司にあたるエリア営業管理職数百人にも適用する。

「名ばかり管理職」問題を巡っては、同社の店長や元店長が「管理職扱いされ時間外手当を支払われないのは違法」として未払い残業代や慰謝料などの支払いを求めて相次ぎ提訴。東京地裁は今年1月、「未払いは違法」として755万円の支払いを命じた。同社はこれを不服として控訴したが、企業イメージの低下を避けるため、新制度導入に踏み切ることにしたとみられる。

会見で原田泳幸会長兼社長は「報酬制度見直しは訴訟とは関係ない」と控訴を取り下げない意向を表明。労務管理強化に向け、労務監査室を新設し、現在平均18・3時間の残業時間をゼロにする方針を示した。原田会長兼社長は「日本には遅くまで働くことを『頑張っている』と評価する文化があるが、社内から意識改革したい」と話した。【望月麻紀】

◇「サービス残業ますます増える」「プライド持てる扱いを」不安、不満口々に

日本マクドナルドの労務制度変更に、店長らが加盟する労組は、残業代支払いを評価しながら、不安と不満も口にした。

労組の若松淳志書記長は「サービス残業がますます増えるのではないか」と指摘する。会見で原田社長は「店長の残業時間は4月時点で(月に)18.3時間」と数字を挙げ、「業績を上げている店長ほど残業が少ない」と断言した。

これに対し若松書記長は「人手不足が進んでおり、アルバイトが足りない時間は店長がやらざるを得ない。そのまま残業時間として報告すれば能力がないとされる。圧力の中で、正確な労働時間を申告できない人が多いのが実態だ」と話した。

別の30代の店長は「残業代が出るといっても、職務給がなくなるのでは納得できない。必死で24時間営業を支えている。管理職のプライドと社長は言っていたが、それならプライドの持てる扱いをしてほしい」と訴えた。

◇弁護士「効果期待できぬ」

残業代の支払いを求めて裁判を闘っている店長の高野広志さんの代理人、棗(なつめ)一郎弁護士は「今回のような、職務給を丸々残業代に付け替える方法では賃金低下を招きかねず、労働条件の不利益な変更に当たる可能性がある。残業時間の抑制を掲げているが、アルバイトや正社員の配置を厚くするとか、営業時間を短くするなどの具体的な方策は何も語られていない。効果は期待できない」と厳しい見方を示した。【東海林智】

■日本マクドナルド 新報酬制度の導入、及び労務管理体制の整備に関するお知らせ

―主な改定点―
(1)成果を反映させた、公正な報酬制度の導入
(2)残業を含め労働時間をより明確化にした労務管理と残業手当の支払い
(3)労務監査室の設置

プレス発表全文⇒ http://www.mcd-holdings.co.jp/news/2008/release-080520.html

●青山商事、店長と課長を管理職から外す 過去2年の残業代支給
 (08年4月8日 日経)


紳士服専門店最大手の青山商事は8日、店長と本社に勤務する課長の全936人を、会社側が残業代を支払わなくてすむ「管理監督者」から外すと発表した。これまで払っていなかった残業代と休日手当を21日から支給し、過去2年の未払い分約12億円も払う。同業のコナカが「名ばかり店長」の問題から労働基準監督署から是正措置を受けており、労働実態にあった待遇に変える。

現状の勤務実態を検討、十分な裁量権を持つ管理監督者にあたらないと判断した。今年3月には同社の店長1人が、個人で加入できる外部の労働組合を通じて、管理監督者から外すよう会社側に要求していた。

青山商事はこれまで店長以上と本社の課長以上を管理監督者としていた。今後は店舗関係は「ブロック長」以上、本社は「部長代理」以上を管理監督者とする。今回の措置で青山商事の社員に占める管理監督者の比率は現在の24%から3%まで低下する。

●店長に残業代支払いへ 和食レストランのカルラ(08年2月22日 時事通信)

東北・北関東を中心に和風レストラン「まるまつ」などを展開するジャスダック上場のカルラは 22日、店長を管理職から外して残業手当を支払う方針を決めたことを明らかにした。2009年3月をめどに人事制度を変更する。日本マクドナルドに対し店長への残業代支払いを命じた今年1月の東京地裁判決を重視したもので、今後同様の動きが外食業界に広がる可能性がある。

対象はカルラの全社員の一割強に当たる約140人の店長。管理職から外すことに伴い、店長に支給していた店長手当を大幅に減額。一方、これまで店長が管理業務などに充てていた時間も含め残業手当を支払う。

同社では「これまでも職務内容を勘案した額の店長手当を支給してきたので、人事制度を変更しても大幅に人件費が上昇する可能性は低い」(総務担当)としている。

●セブンイレブン、残業代支払い(08年2月8日 産経)

コンビニエンスストア大手のセブン−イレブン・ジャパンが、3月から管理職扱いの店長に残業代を支払うことが8日分かった。東京地裁が先月28日、日本マクドナルドに対し管理職店長の残業代支払いを命じたことを受けた措置だ。外食・流通業界では、すでに店長に残業代を支払う人事制度に変えた企業もあるが、人件費の負担増は各社の競争力に直結するため動揺も広がっている。

「残業代を上乗せすれば、確実に経営は立ちゆかなくなる」。外食業界2位のすかいらーくは、頭を抱える。同社の店長は管理職扱いで、一般社員とは別の給与体系や諸手当などで処遇しているが、残業代は対象外だ。

店長の権限が店舗内に限られることなどから、問題となったマクドナルドと同様に「名ばかり管理職」に当たる可能性もある。直営店の店長は現在約2500人いるが、マクドナルドの判決を元にすれば、単純計算で人件費負担は年間数十億円の上乗せとなる。

「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホールディングスも、店長は管理職扱いだ。現時点では「「地裁判決を真摯(しんし)に受け止める」とし、人事管理の見直しを含めた対応を検討している。

平成18年4月に店長を管理職から外した日本ケンタッキー・フライド・チキンは「基本的に深夜営業をしていないため、残業代負担の影響は小さかった」と明かす。残業代に深夜割増しが加わる24時間営業店を多く抱えるかどうかで、対応が分かれる可能性もある。

一方、流通業界では、カジュアル衣料のユニクロは約750の直営店の店長を管理職として扱っている。同社は「利益の源泉は店にあり、優秀な人間にこそ店長になってほしい」という。勤務時間などの裁量を与えているほか、年収も店長になれば2割程度アップ。残業は複数の店舗を束ねるスーパーバイザーが基準労働時間を超えないよう監視し、仮に超えた場合は強制的に休ませるシステムを導入している。

ただ、外食や流通業界では店内をうまく切り盛りするのが店長の仕事との考えがある。このため、「管理能力が低いため長い時間残業する店長が、高い給料を受け取るのは疑問」(大手チェーン)との声も根強い。

●「店長には大きな権限」/残業代未払い敗訴に反論、マクドナルド社長
 (08年2月7日 時事通信)


日本マクドナルドホールディングスの原田泳幸社長は7日の決算発表の席上、マクドナルドの店長は管理職に当たらないとして残業代の支払いを命じた東京地裁の判決について、「店長は材料発注やスタッフの採用など店舗の収益管理に大きな権限を持っており、管理職だ」と反論した。同社は判決を不服として東京高裁に控訴している。

裁判をめぐっては、名ばかりの「管理職」に就けて残業代を払わずに賃金を抑制しているのではないかとの批判も出ている。これに対し、原田社長は「日本マクドナルドの全店長の平均給与は年716万円で業界トップクラスだ」と説明した。

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●マック訴訟:店長は非管理職 東京地裁が残業代支払い命令
 (08年1月28日 毎日)


ハンバーガーチェーン「日本マクドナルド」の店長が、管理職扱いされて時間外手当を支払われないのは違法として、同社に未払い残業代や慰謝料など計約1350万円の支払いを求めた訴訟で、東京地裁は28日、約755万円の支払いを命じた。斎藤巌裁判官は「職務の権限や待遇から見て、店長は管理監督者に当たらない」と述べた。

同社では正社員約4700人中、約1700人が店長。チェーン展開するファストフードや飲食店では同様のケースが多く存在するとされ、判決は業界に影響を与えそうだ。

訴えていたのは、125熊谷店(埼玉県熊谷市)店長、高野広志さん(46)。99年に別店舗で店長に昇格して以降、残業代が支払われなくなり、時効にかからない03年12月〜05年11月の2年分について約517万円の支払いなどを求めた。

労働基準法は時間外勤務に対する割り増し賃金の支払いを規定しているが、「管理監督者」は適用外になる。訴訟では、同社の店長が管理監督者に当たるかが争点だった。

判決は管理監督者を「経営者と一体的立場で労働時間の枠を超えてもやむを得ない重要な権限を持ち、賃金が優遇されている者」と判断。同社店長について、店舗責任者としてアルバイトの採用や運営など店舗内の権限を持つにとどまり、経営者と一体的立場とは言えないと認定。さらに、品質・売り上げ管理などに加え、調理や接客なども行うため、労働時間の自由裁量性は認められず、部下の年収を下回るケースもあるなど待遇が十分とは言い難いと指摘した。

その上で未払い残業代約503万円を認め、労働基準法に基づきその半額について懲罰的な意味合いを持つ「付加金」の支払いを命じた。【北村和巳】

△日本マクドナルドの話 主張が認められず残念。主張は正しいと認識しており、控訴する方向で考える。

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